青年海外協力隊として、ミクロネシアのヤップ島に派遣中社員の日記。
インフォニック、ヤップ支社長を僭称しつつ活動中。

※僭称:勝手に身分を越えて上の称号を自称すること(広辞苑より)

公開日:2009.05.14

妻と休暇

こんにちは。

先週は更新をさぼってしまいました。

何故、さぼってしまったかというと、
日本から妻が訪ねてきて、遊び呆けていたからです。

というわけで今回は、妻が滞在した1週間を日記形式でお伝えします。
ちょっと長いです。

適当に読み流して下さい。

5月2日(土)

午後9時ごろ、妻を乗せた飛行機到着。

ヤップは出入国ともに、フライトスケジュールがすごく悪いです。

夜間や早朝の到着、出発ばかりで、せっかく豊富な観光資源を持ちながら、
観光客を呼び込めない一因になってます。

今回もシニアボランティアの方に車を出していただいて
(JICAボランティアには、協力隊とシニアボランティアの2つのカテゴリーがあって、
シニアボランティアだけが車の運転を許されてます)、
ひっそりと空港まで迎えに行く予定だったのですが、協力隊のメンバーが4人も一緒に来てくれて、
ステイ先の家族も7名、空港まで来てくれて、総勢何と14名という派手な出迎えになりました。

飛行機は予定通りの時間に到着して、妻はパスポート審査を難なく突破したのですが、
スーツケースの回収場所へ姿を消したっきり、なかなか出てきませんでした。

僕の隣にいた四男カスティくんが「What happened? (何が起こった?)」を連発して、
食い入るように出国ゲートを見つめていて、僕もちょっと心配になってきた頃に出てきました。

妻は予想外の大人数な出迎えにきょとんとしてるうちに、
ステイ先のホストマザーや協力隊のメンバーが作ってくれた
「ヌーヌー」と呼ばれる歓迎の花飾りを3つも頭に載せられて、更にきょとんとしてました。

みなさん、ほんとにありがとう。

5月3日(日)

他のJICAボランティアの皆さんと一緒に海へシュノーケリングへ行きました。

沖までボートで出て、ヤップ名物マンタを見つけたり、さんご礁を眺めたりします。

久々にみんなと沖で泳げるので、すげえ楽しみにしてました。

でも1つだけ問題が。
妻はかなづちでした。
うっかりしてました。

とにかく、救命胴衣があるから大丈夫とか適当なこと言って、妻を言いくるめて連れて行きました。
沖へ出て、いざシュノーケリング開始。

ここ十年、プールにも入ったことのない妻が、
いきなり大洋州の地図にも載ってない島の沖で泳がなくてはいけません。
本人もよお分からんうちに。
思えば可哀相な境遇です。

でも来てしまったものは仕方ないので救命胴衣を身につけ、思い切って飛び込みます。

やりました。

若干、無理やり池へ落とされてもがく犬に似てなくもないですが、とにかく前へ進みます。

泳いでます。

最終的にはフィン(足ひれ)もうまく扱えるようになり、マンタを見ることもでき、
さんご礁の風景も楽しんでくれたようです。

よかった。

5月5日(火)、6日(水)

5日と6日はヤップの他のJICAボランティアの皆さんを二人で職場訪問しました。

実は妻もJICAボランティアです。
来年の1月からケニアへ行きます。
冗談でなくほんとの話。

僕がJICAボランティアに合格したあと、彼女は「あたしも受けてみよっかなあ」と言い出し、
うっかり合格してしまったのです。

それも僕の行きたかったアフリカに
(僕は受験する際、任国はアフリカを希望したのですが、何故かヤップ島になってしまいました)。

夫婦で協力隊。
30代も半ばになってから。
なかなかの親不孝です。

というわけで、今日と明日で、皆さんがどんな活動をしているのか見て回ろうという話になりました。

小学校で数学の授業を見学させていただき、子供たちのサッカー教室に参加させていただき、
環境啓発の活動をされている隊員のお話を聞かせていただき、
テレビ局で番組を制作しようとしている隊員の活動内容を聞きかせていただきました。

妻のために企画したことですが、僕のほうがよい刺激を受けました。
みんな、たくましいなと。
僕ももうちょっと頑張らんと親不孝しとる意味がないなと。

そして、6日の夕方、僕のステイ先のタモウ家へ移動。
彼女は、僕と同じく英語さっぱりやけど、早々と子供たちと打ち解けてました。

大物やな。
知っとったけど。

ユージンさんにビードルナッツ、勧められたけど、あっさり断ってました。
大物過ぎるやろ。

長女のルイーシャちゃんから、ヌーヌー(妻が頭にかぶっている花飾り)の作り方を教えてもらってます。

5月7日(木)

今日は朝から、ヤップらしい快晴です。

妻がヤップに来てから何故か雨が多く、京都の7月のような不快な暑さが続いてました。
ここだけの話、妻は雨女ですが、言い過ぎるとマジギレするので、あまり言いません。

今日は午前中、ユージンさんの姉ちゃんの知り合いのガイドさんに、
ヤップ島を案内していただき、島内観光をしました。
自分で案内しろやって思うかも知れませんが、ヤップはほとんどの土地が私有地で、
勝手に立ち入ることができないため、
ガイドさん等を通さないと観光が難しいのです。

まず、ヤップ全体を眺めることができる山へ登り、
その後、今年のヤップダンスの会場でもあったマキという場所で、
伝統的なミーティングハウスを見学し、その後、島の南部へ移動。

ストーンマネーのずらりと並ぶ道を見せていただき、最後にマレーという、
とてもきれいなビーチへ行って帰りました。

ようやく観光らしいことができて、彼女もとてもうれしそうでした。

ストーンマネーの道と妻

マレービーチと妻

午後から、ユージンさんの姉ちゃんとジョアナさんと妻と僕の4人で、ショッピングへ行きました。
僕らが、お土産にヤップの数少ない特産品であるバスケットを買いたいと言ったためです。

ユージンさんの姉ちゃんは、顔も体格もユージンさんそっくりの度迫力で、
初めて会ったときは本気でびびりましたがとても親切な人です。
見た目とか、口調で大阪のおばちゃんっぽいなって思ってましたが当たってました。

僕と妻がよく分からず、店のバスケットを手にしていると、
顔のあらゆるしわで『それは、あかんやろ』という表情を作り、
「Ah---, Expensive(あー、高すぎ)」と店の人に聞こえるのではないかという大声で言います。
「次の店、行くで」って。
結局、4件、店を案内していただき、
その4件目の店で手ごろなバスケットを買うことができました。

おばさん、ありがとう。

5月8日(金)

今日は、ユージンさんのお兄さんが、ボートを出してくれて、釣りへ行きました。
以前からいろんな人が「今度、釣りへ連れて行ってやる」と言ってくれていたのですが、
中々実現せず、今回、初フィッシングです。
すげえ楽しみにしてました。

でも1つだけ問題が。
妻はかなづちでした。小さなボートで沖へ出るため、
泳げない彼女は怖がるのではないか‥‥うっかりしてました。
とにかく、ヤップの海は遠浅だから大丈夫とか適当なこと言って、
妻を言いくるめて連れて行きました。

いざ出航。
最初はきれいな海岸線の景色に、妻は上機嫌でしたが、
少しづつ海岸線が遠ざかり、波が高くなるにつれて口数が減ってゆきます。

やがて、海岸から遠く離れたフィッシングポイントに到着した頃には、すっかり無言で
「何でこんなとこに来てしもたんやろう?」みたいな顔をしています。

岸を離れつつあるときの風景。右側の建物は、以前にも紹介したメンズハウス。
このとき、妻はまだ上機嫌でした。

そして、フィッシング開始。
小魚の形をした疑似餌をできるだけ遠くまで投げて、
リールを巻き取るやつ(ルアーフィッシング?すいません。よく知らない)
ですが、全く釣れません。

いくつかポイントを変えながら、ルアーを投げるのですがさっぱりです。
お兄さんも釣れないので、日が悪かったのだと思います。
その間、妻は見てるだけ。

ほんまにごめん。

やがて、釣りはあきらめ、さんご礁で泳ぐことになりました。
ユージンさんのお兄さんといとこと僕と妻の4人で来たのですが、
妻以外の3人はさっさと泳ぎ始めます。

ボートには妻一人。
ほんまにほんまにごめん。

やがて、妻は暑さに耐えかねたのか「あたしも泳ごかな」と言い出しました。
かなづちのくせに。

波もない、とても穏やかな場所だったので僕も「大丈夫やで」と言いました。
シュノーケルをつけ、おそるおそる海へ。大丈夫そうだなと思ったけど、
妻は海の底を見た瞬間
「深い。無理」(ほんとはそんなに深くないけど)と言って、
パニックになってしまい、すぐにボートへ戻ってしまいました。
水泳時間、わずか10秒ほどでしょうか。

その後、引き潮のため、ボートが岸まで着けず、
藻のびっちり生えた、とても歩きにくい浅瀬をせっせと歩き、

更にステイ先へのジャングル道を疲れた足取りで歩き、

ようやく、ステイ先にたどり着いた妻は倒れるように眠ってしまい、
しばらく起きてきませんでした。

ほんまにほんまにほんまにごめん。

5月9日(土)10日(日)

10日の早朝に帰る妻のために、ユージンさんとジョアナさんが、
ユージンさんの兄弟家族を呼んでビーチでお別れ会
(また9月ぐらいに来るけど)を開いてくれました。

ユージンさんは(というか、こっちの人は全般的に)兄弟が多い。
多すぎて一度会ったかどうか分からない人もいる。
ましてや、その奥さんや旦那さんや子供なんてさっぱり分からない。
とにかく沢山の子供たちが浜を駆け回っていて、
その子供たちが「ジュンコ、ジュンコ」と妻の名前を呼んで、
引き潮の磯を案内してくれます。

先週までの「タカシ、タカシ」という声は残念なほどに聞かれません。

1月に赴任してから何回かパーティに呼んでいただきましたが、
こっちのパーティは基本的にまったり、だらだらです。

人も何となく集まってくるし、いつ始まって、いつ終わったのかもよく分からない。

乾杯もしないし、挨拶もしない。

料理は基本的に持ち寄りです。

一人でのんびり食べてると、おじさんたちがいろいろ声をかけてくれます。

「昨日の夜はバッチリきめたか?」とか「今夜、空港で泣くなよ」とか
「何やったら、ヤップの女の子、紹介するぜ」とか‥‥
ヤップでは、日本以上に夫婦で離れて暮らすなんてあり得んので
そうやってなぐさめてくれているようです。

たった1週間しか滞在しない妻のために、これだけ集まってくれるなんて、
あらためてヤップ人のホスピタビリティに感心、感謝するばかりです。

その後、ユージンさんの一族が経営している会社が空港の近くにあるのですが、
皆さんそこに集まって、最後の見送りをしてくれました。

半分以上はそれを口実にビールを飲むためやけど。。。

木曜日に買い物についてきてくれたユージンさんの度迫力の姉ちゃんが
ヌーヌー3つとレイ(毛糸で編んだ首飾り)をくれて、
妻はそれらを身につけ、早朝のフライトで日本へ帰りました。

さよなら。

また9月に。

帰国直前。左から、ユージンさんのお姉さん、ジョアナさん、妻

というわけで、
すっかり遊び呆けてしまった1週間でした。

日本もゴールデンウィークやし許して下さい。

今週からまた活動がんばります。